例えば会社の帰り道。「しんどいなあ」とため息をつきながらガラスに映った自分の姿勢に目をやると……背中が丸まっていたり、片脚重心になっていたりしませんか? 長時間のデスクワークやスマホなどのデジタル利用で、現代人の姿勢は崩れがちに。あまりにもその状態が長く続いていて、体は“正しい”姿勢を忘れてしまっているかもしれません。
まずは自分の姿勢をチェック
✓ 背中が丸くなっている
✓ おなかが緩んでいる
✓ 肩が前に入っている
✓ 体が前傾している
✓ お尻が出ている
✓ 首だけ傾けて下を見たとき、見えているのは甲の前方~つま先
姿見の前で横向きに立ち、以上の6つをチェックしてみてください。ほとんど当てはまっていたという人が多いのではないでしょうか。自律神経を乱す姿勢の崩れは、疲労の入り口。まずは正しい姿勢を覚えましょう。
正しい姿勢をつくる4つの簡単ステップ
▼STEP 1.イン&アップ(お腹)
何より、おなかが抜けた状態(力が入っていない状態)が姿勢を悪くします。試しに腹筋を緩めて脱力してみてください。背中が丸くなりませんか? 足を閉じて立ち、腹筋にぐっと力を入れてお腹を引っ込め、そのまま上に引き上げて。すっと背筋が伸びるのを感じられるはずです。自然な呼吸を保ちながらSTEP 2へ。
▼STEP 2.ロールダウン(肩)
次に、おなかはイン&アップのまま、肩と肩甲骨をリラックス。前から後ろへぐるりと肩を回してストンと落とします。腕が体の側面にきていることを確認してください。
▼STEP 3.ウェイトバランス(重心位置)
重心位置を整えます。意識的に重心を少し後ろへ。体を曲げず首だけ傾けて下を見た時に、足の甲がしっかり見えていればOKです。イン&アップ、ロールダウンもキープできていますか?
猫背になりがちな現代人は、前重心で立っている人がほとんど。特に女性のハイヒールは、どうしたって重心が前に傾いてしまいます。
▼STEP 4.タイトヒップ(お尻)
最後の仕上げです。イン&アップ~ウェイトバランスの状態を保ったまま、お尻にエクボを作るようにきゅっと引き締めます。正しい姿勢を固定するようイメージしてください。
さて、改めて鏡で自分の姿をチェックしてみてください。立ち姿が見違えているのではないでしょうか。
正しい姿勢=疲れにくい姿勢
ヒトの姿勢は重力に逆らって働く「抗重力筋」によって維持されていますが、ストレスオフ物質として知られるセロトニンには、抗重力筋を活性する役割があります。だから疲れにくい体づくりには、姿勢を正すことはもちろん、ストレスマネジメントでセロトニン分泌を促し、生き生きとした抗重力筋でいることも有効です。