日中頭をフル回転している現代人の脳は、想像以上にお疲れモード。しっかり眠れる工夫は大切ですが、夜の睡眠だけがリカバリーではありません。4つのルールを知って、昼間の仮眠を有効活用。ぼちぼち疲れをとりましょう。
ルール1:眠気は急に止まれない!? 眠くなる前に目を閉じて先手を打つ
会議中、我慢していた眠気が限界になって、ぐらぐら船をこぐ。そしてハッと目を覚ますと、頭がボーっとしてまた居眠り……。そんな経験はありませんか? これは「睡眠慣性」という現象です。脳で深い睡眠の脳波が出始めると、途中で目覚めても睡眠の脳波が残ってしまいます。睡眠も急には止まれないのです。
睡眠慣性を防ぐには、眠くなる前に、先手を打って眠気を取り去る必要があります。睡眠-覚醒リズムでは起床から8時間後に眠くなるので、その2時間前の起床6時間後あたりがねらい目です。日勤の生活の人は、ちょうど昼休みの時間にあたります。この時間にはまだ全然眠くないのですが、ここであえて目を閉じることで、午後の眠気を先に取り去っておきましょう。
ルール2:脳は、視覚を遮断しない限り休めない臓器
1~5分程度、目を閉じるだけでも頭をスッキリさせることができます。トイレに行ったときやエレベーターを待っているときなど、ちょっとした隙に目を閉じてみましょう。ここで覚えておきたいのが、脳は視覚を遮断しない限り休憩できない内臓であるということ。目を開けていては画像をどんどん取り込んで分析してしまうので、必ず目を閉じるようにしましょう。
自覚的に眠る必要はありません。6~15分、目を閉じると、脳内に溜まった睡眠物質が分解されて作業効率が回復します。時間に余裕のあるときはこの程度の仮眠が最適です。ですが仮眠が30分を超えないように注意しましょう。30分を超えると、夜の深い睡眠の脳波が出てしまい、夜の睡眠分を食いつぶしてしまいます。
ルール3:仮眠したい時は座ったまま目を閉じる
人間の脳は、重力に対して垂直になっていると、深く眠れません。仮眠のときには深く眠ってはいけないので、仮眠をするときには座ったまま頭を固定するようにしましょう。ネックピローを使ったり、背もたれや壁に寄りかかるなどしてそのまま目を閉じます。
反対に体の疲れをとりたいときには、できるだけ水平になることが大切です。眠気を取り去りたいときは垂直、疲れをとりたいときは水平、と覚えて使い分けましょう。
ルール4:起きる時間を3回唱える
「1分後に起きる」と頭の中で3回唱えて目を閉じると、1分の少し前に心拍数が上がってきて体が起きる準備をします。これは自己覚醒法と呼ばれます。仮眠は、脳に睡眠という作業をさせるわけですから、その作業のゴールを設定すると、目覚めたときにスッキリ仕事を再開できます。
これら4つのルールをうまく使って、効率よく脳の疲れをとりましょう。