空の青と力強い入道雲の白のコントラストが眩しい夏! 7月に入ると夏休みの高揚感も相まって、心身ともに調子は上昇? でも実は……紫外線を浴びて自律神経機能が乱れることによる、疲労のリスクが潜んでいるのです。
不調や疲労はなぜ起こる?
緊張を要するような場面では交感神経に傾き、睡眠などリラックスする時には副交感神経に傾き……。常に天秤のバランスを保つように働いている自律神経機能ですが、人類の歴史から見ても超多忙な現代人は、さまざまなストレスにさらされ続けていることで多くの時間が緊張状態にあると言われます。つまり、自律神経は交感神経に傾き過ぎたバランスを真ん中に戻そうとフル回転! 呼吸や心拍など、ヒトが生きる上で重要な生命維持活動の司令塔である自律神経が酷使される=危機状態であることを知らせるアラートが、「不調」や「疲労」となって心身に現れるのです。
自律神経をおびやかす紫外線の脅威は7月がピーク!
自律神経をおびやかす要因はさまざまありますが、気候の変動もそう。梅雨から夏への季節の変わり目の7月は、特に注意が必要です。その理由を示すデータをご紹介しましょう。
気象庁では紫外線が人体に及ぼす影響度をわかりやすく示すために「UVインデックス」という指標を採用しています。ここ10年間(2008~2017年)の東京の月別UVインデックスの平均を見てみると、もっとも数値が高かったのは7月。強い酸化作用を持つ紫外線は自律神経細胞に大きなダメージを与え、夏に海やプールで太陽の下にいると、ぐったりと疲れてしまうのもそれが原因の一つです。
また1,000万以上の自律神経測定データを解析したWINフロンティア株式会社(以下、WINフロンティア)の研究でも、年間でもっとも交感神経に傾きがちになりやすいのは7月という結果が出ています。上はUVインデックスと交感神経機能の2つのデータを重ねたものですが、共にそのピークが7月であることがわかるでしょう。また交感神経機能のグラフでは、7月と8月の落差にも注目です。気温上昇による血管拡張の影響、台風による低気圧の影響などが考えられますが、ぐっと副交感神経に傾くこの変動も自律神経にとっては負担となる可能性が大なのです。
出典:日最大UVインデックス(解析値)の年間推移グラフ(気象庁)より東京の2008~2017年の月別平均値を算出 / スマホアプリ「COCOLOLO」による自律神経測定データ(WINフロンティア株式会社)より女性データを使用
夏の自律神経は予防&回復でしっかりケア
まず心掛けたいのは、しっかり予防することです。帽子や日傘などを利用してできるだけ紫外線を避け、目から入り込む紫外線対策にはサングラスも有効です。近頃はUV機能付きのアイテムも豊富になりました。もちろん、そもそも屋外に長時間い続けるのは避けましょう。
そして、もし紫外線を浴びて疲労してしまったら、しっかり回復させることが大切です。自律神経機能を回復させるには、何はなくとも睡眠。生命維持活動の司令塔である自律神経は24時間休みなく働き続けていますが、日中のストレスから解放され、もっとも省エネモードになるのが睡眠中だからです。眠る前の入浴やベッドルーム環境、寝具を整えて、しっかり自律神経を休められる睡眠の質も意識したいものですね。