全国14万人(20~69歳の男女各7万人)に行ったインターネット調査「ココロの体力測定2019」では、男女ともに約半数が「日中に眠い」と回答! 中には「睡眠時間はしっかり確保できているはずなのに……」と首をかしげている人もいるのでは? その眠気、休養を必要としているサインかもしれません。
毎日のがんばり過ぎが疲労を引き起こす
日本疲労学会では「過度の肉体的および精神的活動、または疾病によって生じた独特の不快感と休養の願望を伴う身体の活動能力の減退状態である」と、疲労を定義しています。原因はよくわからないけれど、調子が悪い。思うように体が動かないなどは、日常生活の中で多くの人が感じているのではないでしょうか。しかし疲労は、実はある程度蓄積されてから起こります。
あくびが出たらリフレッシュする習慣を
長時間のデスクワークや勉強で「飽きてきた」これが最初のサイン。休憩する、リフレッシュするなど対応しないでいると、次にやってくるのは「眠気」です。集中しているつもりなのに、あくびが出ること、ありますよね。脳は数千を超える神経細胞の塊で、複雑に連携し合って働いています。同じ回路だけ集中して負荷がかかると、休養を促すように飽きたり眠くなったりします。脳が発しているそんなサインを毎日のようにやり過ごし、フル回転している神経細胞を十分に回復させないでいると……心身の不快感や痛みといった症状として「疲労」が現れるのです。
達成感があれば疲れは吹っ飛ぶ?
例えば、時にクライアントに嫌味をいわれたりしながら、それでも徹夜続きでがんばったプロジェクトがあるとします。あなたの体も心も、当然ボロボロです。でも、そのプロジェクトが大成功をおさめ、上司から「よくやった!」と褒められたりしたら、きっと疲れも吹っ飛んでしまうことでしょう。でもそれはそう“感じているだけ”だと気づいていますか? 疲労していても、それを感じられない。そんなギャップが生じる原因は2つあります。
現代人が陥りがちな“隠れ疲労”にご注意を
「疲労が起こっている」のは、脳内の自律神経中枢です。そして「疲労を自覚する」のは、眼窩前頭野と呼ばれる場所です。このように、同じ脳内でも領域が異なるため、ギャップが生じるというのが一つ目。そしてもう一つは、先ほどの例のように、やりがいや達成感が疲労感を覆い隠してしまう錯覚です。研究者の間では、これを「疲労感のマスキング」と呼んでいます。平易に言い換えれば、「隠れ疲労」です。
自覚がないからといって、疲れていないわけではありません。「飽きた」や「あくび」のサインが現れたら、休憩するクセをつけましょう。
【調査概要】調査名:「ココロの体力測定 2019」/期間:2019年 3月16日~3月18日/対象:全国の20~69歳の男女7万人/方法:インターネット調査/項目:15問/休養項目:厚生労働省「ストレスチェック」B項目を基に独自加工して、点数化/集計データ:県・年齢を実際の人口でウエイト修正を行い活用